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コラムNo.018 ワクチンのお話し(その1)

コラムNo.018 ワクチンのお話し(その1)

いまさらだけどワクチンってなに?

犬猫を飼ったらまず「ワクチン注射」という認識は、特に購入された純犬種(チワワやミニチュア・ダックスフンドなど)の増加にともないかなり浸透してきているようです。そもそも「ワクチン(vaccine)」とは、病気にならないために行うものですが、厳密に言えば注射をしていても病気にはかかります。ただ、かかっても気がつかない間に治ってしまっているのです。それは、ワクチン接種で培った免疫のおかげなのです。

注射筒に吸われた「ワクチン」の液体の中には、何種ワクチンといわれるようにその数に応じた種類の病気の元である「抗原」が含まれています。抗原とは病気を引き起こす主にウイルスを構成する部品のことですが、この部品やウイルスそのものの毒性作用を弱めたり破壊したりしたものを、注射として接種します。すると身体にとってその抗原は外敵になるわけですが、力が弱められ、武器も壊れているようなものですからすぐにやっつけてしまいます。

敵をやっつけた後、身体は敵の戦い方や武器を分析しそれに応じたオリジナルの武器を作り出します。それを「抗体」といい、その抗体を作ることを「免疫をつける」といいます。免疫がつくと本物の強いウイルスが来ても手の内はわかっていますから、準備していた抗体で撃退です。この戦いが大きかったり長引いたりすると症状として現れますが、これは武器である抗体が少なかったりした場合です。充分な抗体があれば、気がつかない間に戦いは終わってしまいます。ワクチンは最初の年に数回接種しますが、これは特に子どもが一度に抗体を必要な分作れないことがあるためです。また、時間とともに使わない抗体は消えてしまうため、毎年接種することがすすめられています。ときどきワクチン接種後に元気・食欲がなくなったり、軽い発熱や下痢・嘔吐といった症状が1~2日みられることがありますが、これは弱めた「抗原」で実際病気になったようなもので普通はすぐに治まりますので心配いりません。ただし、これ以上の症状が出たときは、すぐにかかりつけの病院に相談してください。

最近病院に疎遠になっている方は、数年に一回でもいいですから念のため抗体を増やしておきましょう。もしものときのために。