〒812-0053 福岡市東区箱崎1丁目41番13号 桔梗館1階 ℡ 092-645-1512

健康管理

健康管理

健康診断

犬や猫たちは成長期を終えると人間と比べて4~5倍早く年を重ねるといわれています。つまり1年間で4~5歳年を取るわけです。
また、人間と同様に高齢になるほど病気やケガのリスクも高くなります。
若いころは元気も食欲もあって病気とは無縁に思われやすいのですが、病気を発症した初期段階では早期発見が難しいこともあります。
動物は人間と違って些細な体調の悪さを言葉や動作で訴えることが出来ません。
若い=健康体とは思い込まずに若年期からの健康管理が重要と考えます。
また、老齢疾患の多くは完治することは難しいことも多いですが、早期の発見と治療により症状の進行を遅らせたり、良い状態を維持することで長く生きられる可能性が充分に高まることも期待できます。
当院は健康管理に力を入れており、若年期からの健康チェックで異常に気付き早めの対応をすることで、多くのワンちゃん・ネコちゃんと飼い主様がより長く過ごせることを願っております。
たとえ外見上健康であったとしても5歳前後の若年期にはまず一度健康診断(血液検査)を受診してみてください。健康時本来のデータを一度把握しておくことは大切なことです。今後何らかの不具合があったときに、自身の健康時と比較できることで症状の程度や回復の目安・目標を明確にできるというメリットがあります。また、健康であってもたまに正常値から値が多少前後する場合があります。これは、病気としての異常値ではなく個体差として元々体質的に正常値から前後することがあります。これを把握しておくことで、実際の病気の際に惑わされるリスクを軽減できます。6歳以上からは毎年の健康診断を推奨しております。犬の場合はフィラリア予防開始時の検査の際に、また猫の場合はワクチン接種の際に時期を合わせていただけると、忘れることはありませんのでお勧めです。ぜひご検討ください。

検診内容

問診

飼い主様から最近の状態や気になる症状があれば詳しくご説明いただきながら、検査内容を検討・提案させていただきます。また家庭内での症状を画像や動画で撮影し、診察時に確認させていただくことで速やかな診断につながることもありますので、気になる症状がある場合はぜひ画像記録等を撮ってください。

視診・触診・聴診

眼や耳・鼻・口の状態を確認し、嫌がる場所や心音や肺の音をチェックします。
しこりや発熱、黄だんや貧血などの有無を細かくチェックし、現在の状態を大まかに把握します。また、関節の症状などによる疼痛や跛行(びっこ)、脱臼などがないかも確認していきます。

デンタルチェック

歯周病の有無、乳歯の遺残、歯石の付着や歯折がないかどうかなどをチェックし、必要であれば歯磨き指導などをさせていただきます。

尿検査・便検査

血尿や血便、細菌感染、結晶・結石の有無、体内に寄生虫がいないかなどを確認します。

血液検査

貧血や脱水、血糖値は適切か、腎臓や肝臓の機能に異常が無いかなどで身の状態を把握することができます。検査項目は症状や目的に応じて設定するため、診察時に獣医師にご相談ください。

眼科検査

動物は片眼が失明してもほとんどが気づかず過ごす事が多々あります。犬種や猫種により、眼病の出やすさや種類も違います。
眼科検査によりドライアイや白内障(緑内障)、網膜剥離などを検査いたします。

レントゲン検査

心臓の大きさ、肺野の状況、リンパ節の腫れ、内臓の位置、骨や関節の異常、膀胱や腎臓の結石など、外見で見ただけでは不明な体内の状態を確認します。

超音波(エコー)検査

お腹の中に腫瘍がないか、胃腸の動きに不具合がないか、心臓の内部に異常はないか、腸や腎臓・肝臓の状態などを、詳しく知ることができます。僧帽弁閉鎖不全や三尖弁閉鎖不全、肥大型心筋症など弁膜症や心筋症の有無を確認していきます。
動いている状態を確認することで、レントゲンとは違った情報を得ることができます。レントゲン検査と併せて行なうことでより詳細な診断が可能です。

予防接種

予防接種、ワクチンって?

健康診断とともに受けていただきたいのが、ワクチン予防接種です。予防接種とは、免疫の仕組みを利用して病気を予防することです。
動物が病気に感染し体内に異物(ウイルスや細菌)が侵入すると、免疫細胞が攻撃します。このときに欠かせないのが異物の種類ごとに作られ、ウイルスや細菌の動きや毒を封じ込める「抗体」です。この一連のはたらきを「免疫」と言います。
そして、体内に抗体が作られると、その後同じ病原菌に感染しても発症を予防、あるいはごく軽い症状で済むのです。予防接種の目的は、健康なうちにワクチン(無毒化または弱体化した毒素やウイルス)を注射することで、体内に抗体を作り免疫力を高めることです。しかしながら、多くの抗体は時間の経過とともに減少してしまうため、定期的なワクチン接種が必要です。

予防接種の証明書

多数の動物が利用するペットホテルやトリミングサロン、ドッグランなどの施設利用や引っ越しに伴うペット可の賃貸物件への入居の際には、ワクチン予防接種の証明書の提示が条件となっていることがほとんどです。動物病院で予防接種を受けるとワクチンの種類ごとに証明書が発行されるので、紛失させずにしっかりと保管しておきましょう。
もしペットの年齢やアレルギーなどの理由で予防接種できない場合は、獣医師に診断書を発行してもらい、事情を説明すれば対応してもらえることもあります。

犬の飼養と狂犬病予防

「狂犬病」とは、ほ乳類の動物すべてに感染するウイルス性の病気です。狂犬病の犬に噛まれることで人間にも感染し、一度発症すると有効な治療法はなく、ほぼ100%の人が亡くなります。
日本を含めたごく一部の地域を除く世界中で発生しており、毎年55,000人(そのうち30,000人がアジア地域)が亡くなっている感染症なのです。
日本では、毎年1回の狂犬病のワクチン接種が「狂犬病予防法」という法律で義務付けられています。他のワクチン接種は任意ですが、狂犬病の予防接種だけは必ず受けさせるようにしてください。最近、公園などのオープンな施設で人を噛んでしまい、咬傷事故として狂犬病鑑定を受ける事例が当院でも見られます。犬を飼育する最低限のモラルとして必ず狂犬病予防ワクチン注射を接種しましょう。

予防接種で防げる病気とワクチンの種類

狂犬病以外にワクチン接種で予防できる病気は、猫の場合は3~5種類、犬の場合は3~10種類ほどあります。動物病院では、いくつかの種類を組み合わせた「混合ワクチン」を接種します。当院では、猫は3・5種混合ワクチン、犬は5・8種混合ワクチンがありますので、ペットの生活環境に応じて病院で相談しながら選んでみましょう。